Q. 以下の2つの選択肢を持った時
あなたはどちらを選びますか?
1.あらゆる偉人の遺伝子を持って生まれた子供。
ただし育つ環境はランダムとする。
2.あらゆる教育が準備されて生まれた子供。
ただし生まれ持った遺伝子はランダムとする。
1.であれば、アインシュタイン、ダウィンチ、ガリレオ、ピカソ。
あらゆる天才の遺伝子をいくらでも持って生まれても構いません。
2.であれば、インターナショナルスクール、体操、有名塾、進学校。
あらゆる教育設備をいくらでも整えて生まれても構いません。
TVやSNSでもてはやされる神童は遺伝か、環境か。
あらゆるデータ、論文を持って考察してみましょう。
・習い事を考えている親
・進学先を考えてる親
後天的に天才を育てた教育研究者
1970年代、教育研究者のラズロ・ポルガーは自分の研究に、ある信念を持っていました。
「天才は偶然生まれてくるのではなく、作られるものなのだ」
その信念の元、3人の娘を授かったポルガーは、娘たちにチェスを教えました。
チェスを選んだ理由は進捗度合いやランク付けが明確であるからで、ポルガー自身がチェスのプロだった訳ではありません。
『作られた天才』を目指すべく、ポルガーの教育という名の実験は始まりました。
午前中の3時間は卓球や水泳、ランニング、サイクリングなどのスポーツをさせ、その後は午後10時に就寝するまでチェスを繰り返させました。
3姉妹はホームスクールと特別講座で学び、歴史や文学などの必修科目の試験を受けるとき以外は、公立学校に行きませんでした。
食事もパンと肉汁ばかりで、決して裕福とは言えない家庭環境でした。
非人道的と周りからバッシングを受けながらも実験は続き、結果
3姉妹はいずれも10代前半にチェスの記録を塗り替え、国内外でグランドマスターを撃破。
教育だけで天才を作ったという教育分野で無視できない調査結果でしょう。
娘3人、全員をチェスの世界女王に育てた男|ユダヤ系一家の「共産主義社会でもできる! 天才育成大実験」
どこまで遺伝が関係するか
子供の能力には遺伝が無関係では勿論ありません。
では学力、運動能力、性格等はどこまで遺伝が関係するのか。
遺伝と環境の双方から調査した行動遺伝学から以下の数字を結論としています。
◆学力◆
遺伝:環境=60:40
◆運動能力◆
遺伝:環境=66:34
◆体型◆
遺伝:環境=75:25
◆性格◆
遺伝:環境=30:70
学力が6割遺伝で占めており、『教育だけで天才を作った』前章を否定する数字のようですが、4割の環境だけで天才を作ったことが驚愕です。
また学力・運動能力・体型の多くは遺伝が占めていますが、性格だけは環境が多く占めています。
つまり親の遺伝や影響より、どんな親や友人に囲まれて育ったかが、その子供の性格を形成するという事です。
ヤンキーとつるんでると本人もヤンキーになる理論ですね。
優しい子、素直な子、純粋な子。
これらはどんな親も望んでいる事です。
望んでいるのであれば、それ相応の環境を子供に提供させることが親の務めとなるでしょう。
遺伝子か環境か。子どもの “学力と運動能力” はどちらで決まる?――「行動遺伝学」の答え
参考書籍紹介
私たちは子どもに何ができるのか
ポール・タフ
子供の成長に欠かせないのが自律性・有能感・関係性。
その根幹を支えるのが『非認知能力』。
非認知能力とは何なのか、非認知能力を高めるのは何なのか。
全親必読の1冊でしょう。
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まとめ
環境や教育次第で『天才』は後天的に作れる
◆学力◆
遺伝:環境=60:40
◆運動能力◆
遺伝:環境=66:34
◆体型◆
遺伝:環境=75:25
◆性格◆
遺伝:環境=30:70
いかがだったでしょうか。
改めて冒頭の質問に戻りましょう。
Q. 以下の2つの選択肢を持った時
あなたはどちらを選びますか?
1.あらゆる偉人の遺伝子を持って生まれた子供。
ただし育つ環境はランダムとする。
2.あらゆる教育が準備されて生まれた子供。
ただし生まれ持った遺伝子はランダムとする。
学力・運動能力・体型が6割から7割占めているにもかかわらず、教育環境だけで天才を作った事例。
良い遺伝子を持っていても多少初期パラメータが高いだけで、今後の教育環境次第でいくらでも子供は成長できる可能性があるという事です。
英会話や知育教室など英才教育の習い事にお金をかけることも良いですが、治安の良い土地や教育環境が充実した学校に進学することの方がよっぽど子供にとって有意義である結果が分かりました。
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