Q. あなたは自分自身に満足していますか?
日本人で『yes』と回答したのは45.8%で諸外国と比べて最も低いデータがあります。
特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~
最近よく聞く自己肯定感。
では『自己肯定感』とは何か説明できますか?
常にポジティブな人の事をいうのか。
ネガティブを払拭できた時にいうのか。
文字通りどんな時も自分を肯定できることなのか。
今回は中島輝さんが書かれた自己肯定感の教科書を元に、自己肯定感の前提と定義、安定した状態と低い状態、低くなった時の高め方と維持の仕方を紹介します。
・気分が浮き沈みする
・ポジティブな感情を維持したい
自己肯定感の前提
そもそも自己肯定感の説明の前に、どんな人間も感情は常に揺れ動きます。
今自分の感情が低下しているのか、何が原因で低下したのか、どうすれば高められるか。
それを客観的に把握することが重要です。
- 自己肯定感には浮き沈みがあり自身の変化に気付くことが重要
- 持続型と瞬発型の2種の方法で自己肯定感は向上する
- 過去の失敗や他人との比較で自己肯定感は低下する
自己肯定感の定義
自己肯定感は以下の6つの感情で構成されています。
1.自尊感情
2.自己受容感
3.自己効力感
4.自己信頼感
5.自己決定感
6.自己有用感
何かストレスに感じる時はこの6つどれかの感情が低下しています。
それぞれの感情の安定状態・低下しているかの確認観点・向上させるための対策を解説していきます。
1.自尊感情
自ら生きる価値を認識し、自分の生かされた命を大切にする感情
【安定状態】
『自分、なかなか良くね』と自分を尊重し、
【確認観点】
- 朝、鏡を見て自分の嫌な所を探してしまう
- snsでいいねが来てないか気になる
【対策】
2.自己受容感
自分の良い面も悪い面も認める感覚
【安定状態】
完璧になれないと知り、不完全な自分を受け入れ、自分に『OK』
【確認観点】
- 注意されると深く落ち込み、立ち直りに時間がかかる
- 自分のペースを乱されるとイライラする
【対策】
3.自己効力感
課題に対して計画を立て、実行に移す時に自信を持てる感覚
【安定状態】
自信を持って目標達成に向かえる状態
【確認観点】
- 「無理」「疲れた」「忙しい」などのネガティブな言葉をよく口にする
- 「~しなければ」「~するべき」と考え、行動を起こせない
【対策】
4.自己信頼感
自分を信頼して行動する感覚
【安定状態】
自分に従順で根拠のない自信を持ち、自分の価値観に従える状態
【確認観点】
- 上司からの何気ない一言に怯える
- やると決めても周りの意見が気になり、実行できない
【対策】
5.自己決定感
人生を自分でコントロールできている感覚
【安定状態】
自己決定の経験数が多く、幸福度の高さを実感している状態
【確認観点】
- 服選びに時間がかかる
- 一度決めたことに、本当にこれで良いか悩む
【対策】
6.自己有用感
周囲の人や社会との繋がりの中で、自分が役立てていることを認識する感覚
【安定状態】
自分の存在は社会の役に立っているという安心感を感じられる状態
【確認観点】
- 挑戦に対して「どうせ自分じゃ」と自分で限界を感じる
- レジやエレベーターでノロノロしている人を見るとイライラする
【対策】
高い自己肯定感の維持
紹介した6つの感情で、それぞれ低下した自己肯定感を高める方法を紹介します。
それらは自己認知・自己受容・自己成長の3種類の高め方、維持の仕方が存在します。
ⅰ. 自己認知
そもそも人は、自分のことは全く理解できていません。
うつ病患者の多くは、いつ自分がうつ病になったか認識できていないのはよく聞く話です。
まずは自分の心理状態がどういった状態なのか、認識するところから始めましょう。
ライフチャート
自分の現在の心理状態を認識できる手法です。
以下の8項目に点数を入れ、点数が低い項目は1点を2点に、2点を3点にする小さな努力を心掛けましょう。
レファレント・パーソン
人生を左右する決断をする時、偉人ならどう判断するか、という手法です。
偉人に疎ければ、マンガやアニメキャラでもありだと思います。
『孫悟空だったら、こう行動する』
『ナルトだったら、こう判断する』
『ルフィだったら、こう発言する』
課題の分離
今悩んでいることは自分が解決できる悩みか判断する手法です。
『上司からの評価が気になる』という悩みは、評価すること自体は上司であり、自分では何もできません。
ですので評価対象の行動に注力すべきという考えです。
対人関係の悩みは、本当に自分が解決すべき課題かを認識する
〜ゲシュタルトの祈り〜
ⅱ. 自己受容
グレーテストショーマンの主題歌『This is me』のように、『これが私!』と言えることが理想状態です。
どんな天才でも、人は完璧な存在にはなりえません。
自分の中の清濁を受け入れるトレーニングになります。
タイムライン
自分の目指すべき方向が分かり、今何をすれば良いかが明確になる手法です。
1年後・3年後・5年後・自分が死ぬ時の目標と、その時の理想の自分を紙に書きましょう。
リフレーミング
日頃からポジティブな言葉を使う、という手法です。
人間の潜在意識は人称の区別がないため、ネガティブな言葉は全て自分に返ってきます。
逆に言えばポジティブな言葉も全て自分に返ってきます。
if then プランニング
『もし〇〇したら、△△する』という悪い行動習慣を断ち切る手法です。
『ダイエット中に食べ過ぎたら、翌日炭水化物は摂らない』
『仕事でミスしたら、
Ⅲ. 自己成長
アファメーション(肯定的な自己宣言、根拠のない自信)
最初にあったのは夢と、そして根拠のない自信だけ。そこから全てが始まった。
~孫正義~
スリー・グッド・シングス+1
日常の些細な良かった事3つと、明日起きて欲しい妄想1つを書く手法です。
これを習慣として3週間以上続ければ、
_① 出勤時に電車の座席に座れた
_② 同僚と世間話をして距離が縮まった
_③ 帰り道がすべて青信号だった
_1⃣ 気になるあの人からLINEが来た
イメトレ文章完成法
達成したい目標の第一歩を踏み出す手法です。
以下の空欄を埋めましょう。
・私が実現したい目標は「◯◯」です。
●メリット
・なぜなら、その目標を達成すると、「◯◯」だからです。
●ブレーキ
・しかし、「◯◯」が私の目標を妨げています。
●現状把握
・そのため、私は今、「◯◯」という状況になっています。
●新しい方法
・そこで、私は目標に近づくために「◯◯」という新しい方法を試みるつもりです。
●コンピテンス
・なぜなら、私の強みは「◯◯」であり、それが目標を達成するために役立つと思うからです。
●協力者
・また、目標に向かうにあたり、「◯◯」さんが協力してくれます。
●環境
・目標に向かうにあたり、「◯◯」という環境が味方してくれると思います。
●ノウハウ
・私は目標を達成するために、「◯◯」というノウハウを持っています。
●やる気
・私は目標を達成するために「◯◯」という方法でやる気を引き出します。
●最初の一歩
・私は目標を達成するために、まずは「◯◯」から始めます。
Ⅳ. 負の感情コントロール
不安、恐れ、
少々難しいですが、参考として紹介します。
脱フュージョン
不安をあえて言葉に出して、その不安を濁した表現にして取り除くトレーニングです。
1.「俺は最低だ」
2.「俺は最低だ」に「と思った」を付け加え声に出す
3.「俺は最低だと思った」
4.「俺は最低だと思った」に「と気づいてる」を付け加え声に出す
5.「俺は最低だと思ったと気づいてる」
ポジション・チェンジ
悩んでる問題を擬人化して、自分とその問題を客観視するトレーニングです。
例)
参考書籍紹介
自己認知の中で紹介した『課題の分離』と言えば、この本を思いつく人は多いでしょう。
人の悩みは全て人間関係・課題の分離・承認欲求は不要
人生の悩みをこれ一冊で解決できる、カルピスの原液よりも濃い内容が書かれています。
人間関係は年齢を問わないため、社会人に限らず全人類必読の一冊です。
まとめ
自己肯定感の前提
・自己肯定感には浮き沈みがあり自身の変化に気付くことが重要
・持続型と瞬発型の2種の方法で自己肯定感は向上する
・過去の失敗、他人との比較で自己肯定感は低下する
1.自尊感情:自ら生きる価値を認識し、自分の生かされた命を大切にする感情
2.自己受容感:自分の良い面も悪い面も認める感覚
3.自己効力感:課題に対して計画を立て、実行に移す時に自信を持てる感覚
4.自己信頼感:自分を信頼して行動する感覚
5.自己決定感:人生を自分でコントロールできている感覚
6.自己有用感:周囲の人や社会との繋がりの中で、自分が役立てていることを認識する感覚
ⅰ. 自己認知:ライフチャート/レファレント・パーソン/課題の分離
ⅱ. 自己受容:タイムライン/リフレーミング/if then プランニング
Ⅲ. 自己成長:スリー・グッド・シングス+1/イメトレ文章完成法
Ⅳ. 負の感情コントロール:脱フュージョン/ポジション・チェンジ
いかがだったでしょうか。
最近ビジネス要素の強い書籍紹介が多かったので、一変して誰にでも当てはまるメンタル関連の内容を取り上げました。
自分のネガティブな感情はどこの感情が低下しているのか、その原因は何か、どうすれば高い状態を維持できるか。
物事を何でもネガティブに解釈してしまったら、それが分かりやすい警告かもしれません。
手っ取り早く自己肯定感を高める方法も本書には記載されていたので、是非手に取ってみてください!
コメント