クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いは何でしょう?
クリティカルシンキング:課題や問いの本質の見極め
ロジカルシンキング:課題や問いに対する本質までの道筋
似た言葉ではありますが、考え方や目的は全く別です。
ロジカルシンキングで如何に素晴らしい道筋を見つけても、クリティカルシンキングで課題の本質を見極めなければ、答えが明後日の方向に行くかもしれません。
クリティカルシンキングはロジカルシンキングの前提にあります。
では本質を見極めるクリティカルシンキングとは何でしょうか?
その本質の見極め方はどうすれば良いでしょうか?
世間ではロジカルシンキングの方が布教している感覚がありますが、今回は実践型クリティカルシンキング 特装版という書籍と共に一緒に勉強していきましょう。
・物事の本質を見極めたい
・仕事で遠回りしたくない
クリティカルシンキングとは
前述した通りクリティカルシンキングの目的は『本質の発見』ではありますが、見つけるだけでは意味がありません。
本質を発見し、そこまでのギャップを分析し、目指す本質まで実行しなければなりません。
つまりクリティカルシンキングの3ステップは以下の通りです。
クリティカルシンキングの3ステップ
- 目指すものを定義する
- 何が問題かクリアにする
- 打ち手を考える
では目指すものの定義の仕方は?
問題のクリアの仕方は?
それぞれ見ていきましょう。
目指すものを定義する
まず目指すものを定義しましょう。
『世界的なリーディングカンパニーの実現』
『グローバル人材の育成と世界に通用するリーダーシップ』
『創造と技術のイノベーション』
ありそうな会社キャッチコピーですが、どんな会社か何してるか、さっぱり分からないですよね。
これは使われてる単語が複数意味を持つためです。
目指すものの定義に『曖昧さ』は厳禁です。
老若男女、誰が聞いても共通した認識が持てるようにしましょう。
そこでSMARTという考え方が有効です。
- S:Specific 具体的
- M:Measurable 達成の判断ができる
- A:Action Oriented アクションできる
- R:Rekevant 意義が明確
- T:Time Limited 期限が明確
5つも覚えられない!
と言う人は小学生が聞いても『そういうことね』と納得できるレベルに表現できるようにしましょう。
何が問題かクリアにする
続いては目指すものまでのギャップが何かをクリアにします。
なぜなぜ分析、ピラミッド構造、MECE
本質までの道筋という事でロジカルシンキングの書籍でも多く登場する考え方です。
ですが私が一番推したいのは分解です。
難しい問題は小さく分けて考えろ
~デカルト~
数学者のデカルトが残した言葉です。
この考え方は現代でも非常に使えます。
①売上が振るわない営業マン
売上=商談件数×成約率×売上単価
商談件数が原因の場合:商談以外の時間はITツールで工数削減する
成約率が原因の場合:トークスキルやキラーワードを身に付ける
売上単価が原因の場合:単価の高い顧客リストを作成する
②今の恋人がホントに好きか悩んでる
恋人=外見×内面
=(顔×スタイル)×(仕事の姿勢×プライベート)
顔が原因の場合:顔のどの部分が気に食わないのか
スタイルが原因の場合:痩せて欲しいのか、筋肉量が少ないのか
仕事の姿勢が原因の場合:職場で何に悩んでるか相談に乗る
プライベートが原因の場合:外出が少ないのか、共通の趣味が無いのか
ちなみに『逃げ恥』のみくりさん(役:ガッキー)も自分の気持ちに向き合う場面で
わたし、自分の気持ちを
因数分解してみたんです!
と言ってましたよ。
打ち手を考える
最後の章になりますが、実はここで語ることはほとんどありません。
目指すものが具体的に定義され、そこまでの課題が明確になれば、あとは実行するだけだからです。
もし目標に到達できなければ目指すものを再定義し、課題をもう一度分解すれば良いのです。
PDCAサイクルですね。
参考書籍紹介
クリティカルシンキング・ロジカルシンキングの両方を数学的アプローチで書かれた1冊。
小難しい数式は一切なく、中学数学をおぼろげに覚えてる程度の基本知識があれば十分理解できます。
まとめ
目指すものの定義に曖昧さは厳禁
分解して課題を特定する
実行して、失敗してもPDCAサイクルを回す
いかがだったでしょうか。
『クリティカルシンキング』を聞いたことがあっても具体的に何か分からない。
と言う人には特に参考になったんじゃないでしょうか。
この手の思考技術は一度読んだからと言って、身に付くものではありません。
かと言って一朝一夕で身に付く考え方でもありません。
日頃の会話をより丁寧に説明するだけでも、目指すものの定義の曖昧さを回避できるかもしれません。
筋トレやダイエットと同じで、思考力も日々の積み重ねです。
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