自分の回答にもっとインパクトが欲しい
報告書にもっとクリティカルな文案が欲しい
0から何かを生み出す商品企画部や、課題解決をメイン業務とするコンサルタントで働く方は、このような悩みに直面することは無いでしょうか?
そんな人たちに特にオススメの本となります。
そして特定のビジネスマンだけでなく、営業などの自社製品提案、障害問い合わせ報告、月次報告など、アウトプットが必要な作業が発生する場で活用できます。
前提として、あらゆる業務においてバリュー(価値)を提供する事がビジネスマンに求められます。
ではバリューのある仕事を生み出すためには、どうすればいいのか。
解の質とイシュー度を上げる必要があります。
そしてバリューのある仕事にたどり着くためには
①イシューを見極める
②解の徹底した磨き込み
では実際にどうやってイシューを見極めるのか、解の質を磨き込めるのか
解説していきます。
・的外れな解答になってしまう人
・計画的に作業を進めたい人
イシューを見極める
そもそも「イシュー」とは問い・課題という意味です。
ビジネスでは常に正解が確立されていない問い・課題に満ち溢れています。
それを解決することがビジネスマンの使命です。
ではそんなイシューを解決するためには、まず何をすればいいのか。
解答へ直進するのではなく、問いを明確にする事から始まります。
step1.仮説を立てる
まずは言語化で、イシューに仮説を「〇〇とは、××である」のように定義します。
注意してほしいのは、誰が聞いても統一した見解を持てる表現にする事です。
「たくさん」「早めに」「できるだけ」のような曖昧な表現はNGです。
step2.良いイシューの条件に当てはめる
さらに仮説を深めるために、以下の条件に当てはめてみてください。
なお、必ずしも全てを活用する必要はありません。
共通性:複数の要素から共通性はないか
関係性:複数の要素から関係性はないか
抱合性:複数の要素をグループ化できないか
規則性:複数の要素に規則性または法則性がないか
extra step.イシュー特定のアプローチ方法
それでも仮説が立てられない、イシューが見つからないという場合は以下の手法でイシューを特定してみてください。
視覚化:グラフやイラストで表現する事で新たな視点で物事を捉える
逆手流:どういった状態であるべきなのか、ゴールから逆算する
なぜなぜ分析:「なぜ?」を5回繰り返すことで、本質的なイシューが見えてくる
イシューを分析する
イシューの特定が出来たら、次にすべきはイシューを分析する事です。
イシューがどんな要素で構成されているか、どのように作業を進めていけばいいかを考えるフェーズです。
step1.イシューを分解する
イシューの全体像が把握でき、取り組む優先順位が立てやすくなります。
以下の視点で考えると、分解が楽です。
where:対象は何をニーズとして求めているのか
what:自分たちの資産は何を保有しているのか
how:どのような手段で進めて行けばいいか
step2.ストーリーラインを組み立てる
最終的に自分が何を結論として主張したいのか。
それを順序良く構成する作業となります。
空・雨・傘論法
「曇り空だ。雨が降りそうだ。だから傘を持とう」
このように課題の確認→課題の深堀→結論の流れを意識してください。
この論法はロジカルシンキングの世界では非常に有名なので、ぜひ活用してください。
イシューをイメージする
続いて分析したイシューにグラフやイラストを加えることで、イシューを視覚的に理解するフェーズとなります。
相手に結論をより納得してもらえるように、自分が作業で混乱を招かないようにするための作業です。
step1.軸の分析
エクセルなどでグラフ化する際は、以下の軸からイシューを比較しましょう。
他対象:分析対象とは別の対象を比較する
全体:1つのセグメント内での割合を比較する
時間:全体の時間経過から比較する
step2.イメージの具体化
軸の分析から、さらに数値を入れることでイシューに説得力が増します。
以下の要素から数値を入れましょう。
差分:増減がどれくらい発生したか
変化:特定の軸でどれくらい変化したか
パターン:マトリクス表示で、どこに集中しているか
アウトプット準備
上記のフェーズまでで、イシューの特定は終了です。
ここからは設定したイシューを、どうアウトプットするかになります。
空・雨・傘論法の順序を守る
イシューの分析でも登場した論法です。
このフォーマットが崩れると、説明がチグハグになります。
フェルミ推定で概算を準備する
フェルミ推定とは限られた情報と最低限の知識から数値を算出する考え方です。
結論に必要な資料で具体的な数値が出せない場合、活用しましょう。
拙速は遅考に勝る
報告書、プレゼン資料…
アウトプットの形態は何であれ、成果物は80%の出来で、一度レビューをもらいましょう。
最初から100%を作るとなると、作業時間も手戻り発生時の修正も含め、トータルの工数が多くなります。
アウトプット
いよいよ発表当日です。
これまで手順や考え方を事細かに解説しましたが、最終のアウトプットで意識すべきはシンプルに1つだけです。
自分の伝えたい情報を理解してもらい、相手に行動してもらう
まとめ
step1.仮説を立てる
step2.良いイシューの条件に当てはめる
extra step.イシュー特定のアプローチ方法
step1.イシューを分解する
step2.ストーリーラインを組み立てる
step1.軸の分析
step2.イメージの具体化
空・雨・傘論法の順序を守る
フェルミ推定で概算を準備する
拙速は遅考に勝る
自分の伝えたい情報を理解してもらい、相手に行動してもらう
いかがだったでしょうか。
抽象度が少し高い書籍だけに、即効性は高いとは言えばせんが
確立されていない問い・課題にどう解答を出せばいいか
という考え方はビジネスでは必要不可欠です。
自分の業務には無関係だから、と敬遠することなく、ビジネスで本質的に必要とされる思考法が詰まった良書となっています。
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