子供の学力は家庭の経済力は比例する
これはよく聞く子育ての事実です。
理由は単純でお金に余裕があるから、学費にお金をかけられ、良い塾や良い教材を与えられるということです。
実際の調査で家庭の収入と子供の学力に相関関係があります。
では逆に学費をつぎ込めば子供の学力は向上するでしょうか?
答えは否です。
相関関係があるだけで、因果関係はありません。
分かりやすく言えば傾向の話しです。
では子供の学力が上がる本当の要員はなんでしょうか?
家庭の経済力が関係ないお金をかけずに子供の学力が上がる真実をご紹介します。
・子供の成長に無駄な出費をかけたくない
・金持ちの子供に逆転したい
3つの躾スタイル
子育てには大きく3つの躾スタイルが存在します。
自分が幼少期、どんな躾を受けたか。
自分の子供にはどんな躾をしたいか。
考えながら読んでみてください。
共有型の躾
【特徴】
- 子供を一人の人格を持った存在として尊重する
- 子供との触れ合いや会話を大事する
- 楽しい経験を子供と共有する
- 高所得によくある傾向
【家庭環境】
- 所得水準にかかわらず、蔵書数が多い
- 乳幼児から絵本の読み聞かせをする
- 親が読書好き
【子供の学力】
- 読み書きのリテラシー得点が高い
- 語彙力が豊富
『理想の子育て』といっても過言じゃないでしょう。
子供を『こども』ではなく『人』として対等に接します。
また所得水準にかかわらず本が身近にある環境で、子供の語彙力に正の相関関係があります。
強制型の躾
【特徴】
- 自分の思い通りに子供を育てたい
- 子供が言うことを聞かなければ罰を与える
- 親は子の上に成り立つ
- 低所得によくある傾向
【家庭環境】
- 所得水準にかかわらず、蔵書数が少ない
- 乳幼児から絵本の読み聞かせが少ない
- 親が読書に関心が無い
【子供の学力】
- 読み書きのリテラシー得点が低い
- 語彙力に乏しい
『子供のため』を思ってついついやってしまう躾。
しかしその実態は『親の都合』であり、子供の成長にはマイナスです。
当然、子供の語彙力に負の相関関係があります。
自己犠牲型の躾
【特徴】
- 生活が子供中心
- 親の時間が確保できない
- 夫が育児に消極的
- 低所得によくある傾向
【家庭環境】
- 育児不安で無気力になる
- ネグレクトに近い状況
- 行政指導が必要
【子供の学力】
- 読み書きのリテラシー得点が低い
- 語彙力に乏しい
家庭外から支援が必要な危険な状況です。
親も子も良くない状態なので、一刻も早い対処が必要です。
言わずもがな、子供の語彙力に負の相関関係があります。
『貧困の再生産』は家庭の経済力ではなく、『子育ての仕方』が繰り返されていることが原因だと分かります。
習い事をさせたら逆効果?
家庭の中の躾をまとめましたが、次は家庭の外『習い事』について見ていきましょう。
幼少期から運動の習い事をしている子供や、体操の時間を設けている幼稚園・保育園の子供を調査しました。
結果は意外なことに、運動能力が低く、運動嫌いになる傾向があります。
原因調査をしたら子供の主体性を無視した強制的な指導がありました。
これは強制型の躾に他なりません。
この指導方法(躾)では効果が無いく、むしろマイナスの影響を与えています。
- メンタルの安定
- 情緒の安定
- 忍耐力
- 協調性
- 積極性
運動能力が高いと、上記のような子供になる傾向があるのは事実です。
しかしこれも相関関係であって因果関係ではありません。
闇雲に習わせても強制型の躾となり、子供の成長に悪影響を与える結果となり得ます。
『何を習わせるか』よりも『どう習わせるか』の方が大事です。
ちなみに先取り学習をしている保育園と
自由に遊ばせる保育園で学力調査を行った所、驚きの結果が出ました。
なんと自由に遊ばせる保育園の方が学力が高い結果となった
習い事にも共有型、強制型の躾は関与してきます。
そこに習い事の種類は関係ないようです。
大人の立場でも同じ?
あの研修 受けてこい!
と言われて、身に付いた試しがありますか?
今もそれが活かせていますか?
私は無いです。
自分のキャリアを考えて、自分で本を読んだり、情報収集したり、勉強した方が継続できるし身に付きませんか?
大人も幼児も同じです。
であれば間の学生期間も同じです。
小中高の間だけ親の言う通り無理やり勉強させても、賢くなることも人として豊かになることもありません。
子育ては共有型が良いのは分かってる!
でも習い事は〇〇をさせよう!
これは大きな矛盾が生じています。
参考書籍紹介
――経済格差を超える要因の検討――
内田 伸子
今回の記事は珍しく書籍からではなく、論文から引用しました。
お茶の水女子大名誉教授で子育ての権威、内田伸子先生です。
子供の学力に親の経済力は関係無いという、一般庶民にとって一筋の光明となる論文でした。
まとめ
共有型の躾
- 子供を一人の人格を持った存在として尊重する
- 子供との触れ合いや会話を大事する
- 楽しい経験を子供と共有する
- 高所得によくある傾向
強制型の躾
- 自分の思い通りに子供を育てたい
- 子供が言うことを聞かなければ罰を与える
- 親は子の上に成り立つ
- 低所得によくある傾向
自己犠牲型の躾
- 生活が子供中心
- 親の時間が確保できない
- 夫が育児に消極的
- 低所得によくある傾向
習い事にも共有型、強制型の躾は関与する
いかがだったでしょうか。
思い返せば裕福なのに学力が低い子供。
貧困なのに学力が高い子供は、小学生時代にいたはずです。
お金があっても、それをどう使うか。
お金が無いなら、無いなりにどう使うか。
そこが分かれ目だったんでしょう。
子育ては一朝一夕で結果が出るものではありません。
正しい接し方を続ければ子供は大成しますし、間違った接し方を続ければイマイチな結果になります。
『親ガチャ』というより、『親の躾ガチャ』ですね。
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